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奈良県某浴場工事 Part3
つづき
③循環方式・・・最近は、ほとんどこれでしょう。少なくともウチは昔からそうです。この循環方式は、当たり前の原理です。
シャワータンクにて適温を作り、加圧ポンプや、循環ポンプによって各水栓器具に送水します。加圧ポンプ方式は送り配管に
加圧ポンプを設備し、リターンをタンクに戻します。この方式は送りの配管にポンプで引っ張って加圧をかける為、多少、
温度誤差があります。タンクの温度にバラツキがあれば、そのバラツイた温度のお湯を送るためです。また、加圧ポンプではなく、
循環ポンプにすると、リターンのバルブを絞るため、(バルブを全開ではなく調整すること。)適温のお湯が常に
循環しにくいんですね。10の湯量を2とか3とか位まで絞りますからね。加圧ポンプ方式は、循環方式ではなく、
一方通行の配管には有効ですね。リターンがないため、手っ取り早くシャワーに加圧でき、設備工事費も安価で済みます。
循環方式では、リターンの配管に循環ポンプを設備します。この方式がスタンダートです。リターン配管にポンプを設備するため、
引っ張り、押し込みになりますので、温度誤差もあまり生じません。大幅な工事(改装工事や新築工事)では、
この方式を採用します。新設設備なら設備工事費もあまり変わりません。一方通行の配管から工事すると、リターンの配管を
探し出して、土間を斫りタイルの修復など大変な工事ですからね。この方式は、配管上同圧になりますが、加圧ポンプほどの
圧力はありません。どちらも、一長一短ですね。
シャワーを使っているとき、「あっ、ぬるなった。」「熱っ。また冷たい。」「圧力強よ~。」「隣の人が使ったら圧力下がった。」と
思うのは加圧ポンプ方式です。
「どこも同じ圧力やな~。大したことないけど。」「温度もあんま変わらんわ。」と思うのが循環方式のリターンにポンプが
設備されています。
今回の工事では、この循環方式のリターン配管循環ポンプ式で行います。
つづく
Date: 2007/11/22(木) No.101
奈良県某浴場工事 Part4
つづき
今回シャワーの修繕は、一方通行配管から、循環方式ですので、シャワーの末端部を探さなければなりません。本来なら、
機械室の近い方から配管され、機械室から遠い所が末端のはずです。しかしながら、きっちり確認してから工事にかかりたいと
思います。ここの浴場は、新築当時(今から35年程昔。)ウチの親父が工事した現場です。親父っさんは当然ながら、
「そんなもん憶えてるか。何年前の話しとんねん。」心の中で、「聞いた俺がアホやった。」と思いながらも、シャワーの
回路のバルブを閉め、両端のシャワーの器具をはずし、バルブを開けます。すると、なんと機械室から一番遠い場所から、
お湯が出てきました。「なんちゅう天邪鬼や。」と思わず声が出ましたが、ここは大人な対応で、「設計の段階で経路決まって
たんか?」「知らん。設計は俺や。」「・・・(アホらし。)」気を取り直して、末端部の場所を斫り、継手を取り出し、そこから
機械室まで引き延ばします。
当然ながら、浴室側から露出配管はできませんので、壁の裏側に配管を取り出し機械室までもっていきます。この作業を
男湯、女湯とします。新築当時は、(ここの浴場だけでなく、全ての浴場にも言えます。)シャワーよりも、湯カランを水カランで
薄めて適温にし、洗面器で掛け流していましたが、現在はシャワー主体です。当然ながら、配管口径の大きさも違います。
シャワーの配管は現在と比べると、口径が小さいんです。口径が小さいとなると流量が減ります。いくら循環したといっても流量が
少ないとそれ以上の物ではありません。じゃあ、引き延ばす配管の口径を大きくしたらいいんでは?と思っても、浴室の
シャワーの配管の口径が小さいのであれば、あまり意味はありません。そこで、流量が絞られれば、隣は良くでますが
その隣は?ってことになりますのでね。
Date: 2007/11/24(土) No.102
奈良県某浴場工事 Part5
つづき
末端の継手(エルボ)をチーズに変換し、浴室外部に持ち出します。その配管を外部より機械室に持っていきます。
外部の壁に塩ビパイプ(耐衝撃性硬質塩化ビニールパイプ=HI-VP)にて配管しますので、1mちょいに1ヶ所、支持金具を
取付ていきます。シャワーは高温水ではなく、40℃前後ですので、塩ビパイプで十分です。後日、保温工事をしますので、
支持金具は壁より少し離して設置します。保温の種類もいろいろなのがあるんですが、今回は、グラスウール、ラッキング仕様
ですので、壁より、80mmほど離します。
そのまま機械室まで取り入れ、リターンの調整バルブ、ポンプ、シャワータンクに接続します。ポンプには、バイパス管を組み
万が一に備えます。
それにしても、うだるような暑さの中、外仕事もツライですが、機械室の中の仕事もたいへんです。風は無し、解体作業と
同時進行ですので、グラスウールがキラキラと輝いているのが見えます。その中でやるには、完全防備でやるしかありません。
痒いのをガマンすれば別にいいですが、「あ~かゆ。」では仕事になりません。汗が吹出し、作業服もびしょ濡れになりながら、
グラスウールで、首のあたりがかゆくてかゆくてたまりません。
おっさん達のツライ夏は始まったばかりです。
つづく
Date: 2007/11/26(月) No.103




奈良県某浴場工事 Part6
つづき
吊り代=チェーンブロックを使用するにあたって、チェーンブロックを吊る為のアンカーフック、チェーンブロック本体の長さ、
ワイヤーのたるみを足すと最低限天井より、吊る物体まで、400mm~500mm以上ないと吊れません。
更新遅れました。P.Cの調子が悪いです。
シャワーの工事と並行して、ボイラーの入替工事も行います。解体作業が終わると同時に取り掛かりました。
「こんなでっかいの出して、入れんの?」天井ギリギリの高さで尚且つ、機械室から出すのに上下分解して搬出、搬入します。
上下分解式も溶接で接続するタイプやパッキンボルト締めタイプとがあります。ここのタイプはパッキンボルト締めです。
溶接の方が早いんですが、入替の時にはアセチレンガスでボイラーを上下切断しなければならず、手間が掛かるんですね。
いつも通り、バーナーを外し、油配管の撤去、接続温水配管、給水回路を切り離し少しずつ、おっさん達が作業しやすい場所
まで前進させ、そこで、上下分解のボルトを外し上部のタンク部をチェーンブロックで吊り上げます。吊ったままにして、
下部の中釜ぶを前進させ、搬出します。これが重いんです。優に2tはあります。ここで問題が、、、重量物ですので、
”コロ”を使い、動かすのですが、機械室の入り口の鉄扉の高さと下部の中釜の高さが2cmしかありません。そうなると当然、
コロも使えず地面に6mmの鉄板を敷き、滑らして動かすんですが、これがまた重たいんです。長くて太い自家製のバール
にて押し込みますが、血管が切れるんちゃうかいうまで力を出し切りますが動きません。そこで2人がかりで息を合わし
「せ~~の。」でフルパワーで押し込みます。おっさん達の寿命が確実に縮まっているのが解ります。「もっと押せ~~。」
の一言に怒りを覚えたゴリラのような力で応えてくれます。さすが”おっさん魂”
ようやく機械室から脱出するとレッカーにて吊り上げ、トラックに積み込みます。おっさん達の顔は疲れたヒヨコのように
疲れきっていました。
つづく
Date: 2007/12/02(日) No.104




奈良県某浴場工事 Part7
つづき
ここで一息ついて掃除、配管の補修です。今回は2週間工事日がありますので、すぐに搬入ってこともありません。
こんな現場は稀ですけどね。いつも搬出、即搬入なんで息つく間もないんでね。今回は最高です。それにしてもボイラーの
無い機械室は広い広い。ボイラーを搬出する為に途中で切断した配管類を程度の良い箇所までほどき、いつでも搬入
できる体制をとります。
搬入もこの日にしますが、配管を全て接続する必要もありません。なんせ工事日がありますので、「今日は(ボイラーを)
定位置まで置いて、煙道加工してやめよか。」こんなのんびりした会話ですが、実際は熱波が押し寄せるような外気温のなか、
滝のように流れ落ちる汗が、尚一層、醜いおっさん達を演出している訳です。傍から見たら、「何したらそんな汗かくの?」
「その姿、嫁と子供に見せられるか?」と問われたら聞こえないフリをしますね。
ボイラーを搬入すると今度はタンク部を接続します。ボルト締めですので、きっちりと位置を出し、チェーンブロックで少しずつ
タンク部を降ろし、手前まできたら、”シノ”などでタンク部とボイラーのボルト穴を”拾い”ます。(拾う=物を拾うではなく、
物と物を合わせる。密着させる。同じ位置に合わせる。この場合は、タンクのボルト穴とボイラーのボルト穴を合わせる。
じゃないとボルトが入らないでしょ。)この時。パッキンも同時に拾うんですが、これが中々、決まらないんです。場所が良ければ、
どこにでも体を持っていけますが、なんせ現場は配管があったり、すぐ壁があったりで体が入りませんのでね。
ここできっちり合わせないと、ボルトは入らないわ、パッキンはヨレルわで後で難儀します。なんせ重量物。ちょっとや
そっとじゃ動きません。”シノ”をさしたままゆっくり降ろして両角や手の届く箇所にボルトを入れ込み、全てのボルトが入ると、
チェーンブロックを降ろします。ここできっちり締め込み、保温も取付、ボイラーを定位置に置きます。
Date: 2007/12/06(木) No.105



奈良県某浴場工事 Part8
つづき ※ヤツ=グラスウール
定位置におけば、後は配管、煙道を接続するだけです。今回は煙道も保温工事がありますので、煙道を完全に溶接して
設置します。保温材は不燃材ですので燃えることはありませんが、やっぱりススや排煙が漏れるようではダメです。
この煙道の保温がまた大変でしてね。今回は予算の関係上、保温屋さんに入ってもらえませんでしたので、自分達でやります。
案の定、どのおっさん達も見て見ぬふりしてます。その結果、一番最後の仕事になりました。
「只でさえ暑いのに、なんでかゆいことすんにゃろ。」みたいな感じです。保温は丸く巻き、ロールでくるのですが、
このロールをゆっくりほどいて適度な長さではさみで切断しますが、ほどく時に、キラキラキラとヤツが舞うんです。
汗びっしょりですので、すぐに肌にくっつきます。ヤツは人としてのやさしさを奪い、人としての尊厳を奪い去り、
人を醜い野獣へと変えていきます。人はヤツに対抗するため、息を止め、動作を鈍らせ、(ホコリをたてずに。)風上を選び、
吹出す汗をグッと止め戦いに挑みます。
また一人、おっさんがやられました。彼はもう、かゆい地獄に入り込み、掻けば掻くほど、かゆみが増す出口の無い
地獄へと落ちていきました。
残った勇者達は、煙道にヤツを巻き針金でしばり、カラー板金で囲い込み、もう二度とこの世に出さない様に、封じ込めました。
勇者達は、一目散に、蛇口に駆け込み、体中を洗い流し、「もう、このシャツ着れへんなぁ。着替えよ。」と何事もなかったように、
涼しい顔して、たばこをくゆらせます。
何事もなかったようにと言うのは、思い出すだけでかゆくなるからです。
つづく
Date: 2007/12/11(火) No.106
キーが取れました。
つづき
更新遅れました。どうもまだP.Cがおかしい。接続されません。追い討ちをかけるように、朝起きたら、P.Cのキーが所々、
取れてました。子供に聞いても「知らんで。」嫁に聞いても「は???」非常に打ちにくいです。
こういう場合、メーカーさんに修理依頼するんですかね?
直す方法教えて下さい。
Date: 2007/12/18(火) No.107
奈良県某浴場工事 Part9
つづき
少しそれますが、ここの銭湯さんの近所に、ある名士さんがおられまして、このおっちゃんがまた世話好きな方でして、
我々も大分、助けていただきました。この方は、工事を掛かる時にすでに居られた訳ですが、何分、暑い季節ですので、
「暑いやろ~。後で扇風機持って来させるわ~。」「え?扇風機ですか?風呂にありましたよ。」と言うと「そんなもんで足らんやろ。
何台もあったほうが涼しいし、機械室の風通しを良くし~な。」「そうですかぁ~。助かりますわ~。」と言えば、すぐさま、
「すんませ~~ん。これ(扇風機)届けろって言われたんですが~。」と別のおっちゃんが大型の扇風機(現場用の
大きい扇風機)を届けてくださいました。それも2台も。もう楽園でしたね。「涼しい~~。」「風最高~。」とそら嬉しかったですよ。
意味も無く扇風機の前を行ったり来たりしてましたもんね。
またある時は、「暑いやろ。これ飲むか~。」ふと見ればビールがそこに。。。なんと酷なんでしょう。「おやっさん、それはちょっと
あきませんわ。」「そんな言わんと飲みなぁ。」「いや、あきまへん。それだけはあきません。」と丁重にお断りさせていただきました。
(あたりまえやっちゅう話しですけどね。)
それに昼メシを食べに行くのに車で行かなければ店が無いんですが、それを見かねて「近所のうどん屋。出前さすわ。」と
ありがたいお言葉もいただきました。よく聞けば、そこのうどん屋さんは「出前はしてない。」との事でした。
さすが地元の名士さん。2週間お世話になりましたが、これからも修理などで寄せていただきますので、その時はよろしく
お願いします。
Date: 2007/12/20(木) No.108
仕事納め
たいへんご無沙汰しております。P.Cがようやく修理から帰ってきました。
もう年末です。我々も今日で一応、仕事納めですが、この商売、何があるかわかりません。毎年、どこかの銭湯さんから
電話が入ります。「お湯沸かへんし、何とかならんか?」「ポンプから今にも壊れそうな音がする。」「ボイラー火つかへん。」等、
いつもギリギリの時間帯に電話があります。私はいつもこう言います「何で正月に壊れるかな~。前兆があったでしょ?」
しかたなく現場へ向かいますが、修理の部材もなく応急のみ施します。
するとどこの銭湯さんも「何で予備の部品とか、予備のポンプ置いとかへんねん?」「あんねぇ、予備って言いますが、何百と
種類があるんですよ。おやっさんとこだけやなく、よそも入れたらウチ材料屋できますわ。」となります。
今年は、全体的に銭湯関係は例年以上に厳しい年だったと思いますが、厳しいときだからこそ、逆に攻めの気持ちも大切だと
思います。よく聞くのが、「もう客来いひんし、修理せんでもエエわ。」とか「綺麗に直し(改装工事)てもしゃあないわ。」と
言われますが、ほっとくと余計にお客さんの足は遠のきます。悪循環ですね。銭湯は特殊な商売で、物価統制令として、
一律料金が決められてります。同じ390円で勝負するのです。ここはジェットがない、あそこはサウナがない等、あっても
おなじ390円です。お客さん側から見れば、同じ390円なら設備の整った銭湯へ行くでしょ?
確かに、古い銭湯も味があっていいでしょうが、それで商売成り立ちますか?レトロ調ではなく、レトロとの調和なんじゃない
でしょうか?
一年の垢を落としに、是非皆さん銭湯に足を運びましょう。その次の日にはもう初風呂が待ってますよ。
Date: 2007/12/29(土) No.109
ゆず風呂
本日さっそく銭湯さんから電話がありました。今日は餅つきの予定でしたが、餅つきもソコソコに出向きました。丁度、
近く同士の銭湯さんから電話がありましたのでタイミング良く2軒廻ることができました。仕事内容はチョロイもんでしたが、
最後に寄った銭湯さんで、ゆず風呂の残りのゆずをたくさんいただきました。
「今日はすまんな。これ持って帰れや。」「おおっ。ゆずくれんの?」「おう。あるだけ持って帰り。」「おおきに。」
今からゆず風呂します。1年の厄払いですからね。子供が、まだかまだかとうるさいので本日はこれにて失礼します。
Date: 2007/12/30(日) No.110